全国初となる空き家の取り壊しを行政が執行

2015年10月26日に神奈川県の横須賀市において、倒壊のおそれがある空き家を市町村が強制的に解体できる「空家対策特別措置法」に基づいて、全国初となる空き家の取り壊しが行われました。

空き家の問題では、これまでは近隣から苦情があっても、自治体は所有者に対して”お願い”ベースでの対応がメインでした。しかし、今年5月に完全施行された空家対策特別措置法により、これまでの”お願い”から”指導”という権限の強化が行われました。

 今回は、この空家対策特別措置法について、再度見てみたいと思います。

 空家対策特別措置法は、2014年10月に制定され、2015年2月26日に施行されました(関連の規定は2015年5月26日に施行)。

■「特定空き家」とは?
(1)倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
(2)著しく衛生上有害となるおそれのある状態
(3)適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
(4)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態となっている空家等をいいます。

■「特定空き家」に指定されるまでの流れ
(1) 近隣住民などからの苦情をもとに、1年間電気・ガス・水道が使用されていない空き家は、自治体が所有者を調べ、立ち入り検査ができる
(2) 立ち入り調査の結果、倒壊の危険がある、衛生上、防犯上の問題がある、周辺の景観を著しく損ない、放置しておくのは不適格と判断されると「特定空き家」に認定される
(3) 所有者に対し適切な修繕の上での管理、または解体などの助言や指導を行う

※出典 SUUMO


特定空家等については、除去や修繕、木の伐採等についての助言や、指導、勧告、命令が可能になっています。さらには、除去や修繕などについて行政代執行をすることが出来ます。
(行政代執行とは、国や地方公共団体などの行政機関が、義務者のやらなければならない行為を代行し、その費用を義務者から徴収すること)

 今回の横須賀市のケースは、当該建物の屋根が崩れ落ちており、周辺住民に危険があると判断されたが、所有者不明となった為、行政代執行に踏み切ったそうです。費用の約150万円は市が負担するとのことです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする