昔、田んぼが多かったような地域には、見た目では気付かない道路(赤道や青道)が存在することがあります。
明治初期の法律による「里道」などを指します。
里道といってもイメージがわかないと思いますが、昔の農道やちょっとした小道のようなものです。
なぜ、「赤道」かというと、明治時代から使われた和紙の公図で赤く塗られていたことに由来します。現在も、細い通路として利用されていたりしますが、現場へ行っても見た目にはわからなくなっているような場所も多くあります。
水路などのことで、やはり古い和紙の公図で青く塗られていたことによります。
現在では、水路として利用し続けているものもあれば、すでに利用されなくなっているものもあります。また、実際に利用していても暗渠となっており地中にあるのでどのにあるのか、わからないような場所もあります。
赤道や青道は、昭和25年に建築基準法が施行された際に「建築基準法上の道路」となれず、また「道路法上の道路」でもないものが数多く残されました。
その「道路」になれなかった里道が「赤道」として現在も残っているわけなので、道路のように整備された場所は少なく、見た目にはわからない場所が多いのです。
「赤道」や「青道」は国有地となり、地番や所有者の登記はありません。しかし、管理は地方公共団体が行なうことになっていますので市役所などで確認が取れます。
すでに利用されていない場所は、徐々に払い下げも行なわれているのですが、市町村における管理がきちんとできているとはいい難く、実態が曖昧なために処分できないものも存在するようです。
特に怖いのは、敷地内に「赤道」や「青道」が通っており、マイホームを建てよう思った時に思い通りに建てれない可能性があることです。
なぜかというと、下記の図のような敷地に建物を建てる場合には、全てが自分の所有地だと思っていても、赤線の部分(赤道)には建物が建てれず、位置をずらす必要があるからです。
法務局で公図を見ればすぐに異変に気付きますが、現場を見るだけでは気付かないことが多いのでちゃんと調査をする必要があります。