全部事項証明書(登記簿謄本)に記載されている内容

前回の「不動産登記とは?」に続き、今回は全部事項証明書(登記簿謄本)に記載されている内容についてです。

全部事項証明書(登記簿謄本)とは、登記簿に記載されている内容が確認できる書類のことです。この全部事項証明書は、全国各地の法務局や登記所で誰でも請求することができ、請求方法にもよりますが、費用は1通あたり600円程度で取得できます。

どんな書類かというと、こちらです。

記載されている内容は、「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」「共同担保目録」の4つの項目に分かれています。

表題部
どのような不動産なのか?不動産の概要が記載されています。
不動産がどこにあって、どんな種類で、どのくらいの大きさか、といったことが記載されています。建物の場合は、場所や大きさ以外にも、どのような構造で、いつ建てられたのかといったことも記載されています。

権利部(甲区)
不動産の所有者について記載されています。
不動産の歴代の所有者が記載されており、いつ、どうして、誰に所有権が移転したのかが登記されます。また、所有者の住所・氏名も記載されています。

権利部(乙区)
不動産に設定されている所有権以外の権利が記載されています。
例えば借り入れがあった場合の抵当権設定や根抵当権設定などです。
ざっくり言えば、住宅ローンなどの借入れをした時に貸主がどこの誰で、いくら借りているのか?が記載されています。

共同担保目録
抵当権や根抵当権を設定している場合に、複数の不動産を担保にしているときにできるリストです。

全部事項証明書に記載される内容は、歴代の所有者情報や、住宅ローンなどの借入れ、返済、差押えなどの情報が変更された度に一覧に記載されるため、不動産によってはA4サイズの用紙1枚におさまらず、複数枚にわたる膨大な情報量のものがあります。

記載された情報が膨大となれば、最新の状況が把握しにくくなるため、変更があった古い内容には下線がひかれ、現在の状況がわかるようになります。

全部事項証明書が読み解けるようになると、対象の不動産で過去に何が起こってきたのか?が解るようになります。

すると、土地であれば再建築するのに何か問題がないか?建物であれば新築、増築、一部解体がいつ頃されたのか?融資の履歴からも売買するのに問題なく手続きが取れる不動産なのか?など、さまざまな情報を得ることができるのです。

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