築年数60年でも人の集まる建物 空き家の活用法

新築物件が多く、人気もある中で築年数60年でも人の集まる建物「HAGISO」とは!?

1955年に竣工された単身者向け賃貸アパート「萩荘」は、どこにでもある一般的な6畳一間のアパートであり、これだけ新しいアパート・マンションが立ち並ぶ中で、やはり2000年以降は空き家になってたそうです。
しかし、2004年に、東京芸術大学の建築専攻の学生さんが、谷中に住宅を建てるという課題のために場所を探している時に、偶然空き家のアパートを見つけ、家主へ『自分たちで手を入れて直すから住めないか』とお願いして、シェアハウスとして再度スタートしました。

それからは、東京藝術大学の学生さんによって手入れされながら、アトリエ兼シェアハウスとして使われてきましたが、2011年の東日本大震災がきっかけで、大家さんが建物の老朽化を危惧するようになり、取り壊して駐車場として活用しようと、建物の取り壊しが検討されました。

取り壊されるのであれば、最後に何かやりたいと、萩荘に住んでいた藝大生のみなさんがアートイベント「ハギエンナーレ」を開催し、萩荘に集っていた学生さんやアーティストたち約20名が、建物全体を使った作品を展示したところ、3週間の展示期間で約1500人もの方々が来場されて、大家さんも「萩荘」という場所の持つ可能性に気づき、取り壊すのはもったいないと思うようになったそうです。そこで大規模なリノベーションをして完成したのが、最小複合文化施設というコンセプトの「HAGISO」です。

HAGISOにはギャラリー、カフェ、レンタルスペースがあり、展示空間としてのギャラリーだけではなく、ダンスや音楽、ワークショップ、トークイベント、映画上映の場としても使われています。

これは、一つの成功例なのかもしれませんが、建物の使い方には無限の可能性があると思うので、その地域の特性や、建物の構造、大家さんの価値観、その場所で活動する人たちのニーズの中から、新しい建物の活用方法が生まれると面白いですよね。
賃貸住宅を、ただのアパート・マンションとして入居者を募集するだけではなく、新しい活用方法が出てくるといいなと思います。

現在は、これまでのような昔ながらの大家さんばかりでなく、投資目的で事業としてアパート経営に取り組んでいる人も多いです。
また、新しく人気が出そうなアパートがどんどん建てられて、古いアパートも新築同様にまでリフォームされて市場に出回っています。
日本国内の人口が減少していく中で、逆に賃貸物件は、お金をかけて綺麗にされていく部屋が増えていくわけなので、最終的には、お金をかけた物件ですら空室が増えていくことは時間のもんだいですよね。そこで、賃貸住宅としての活用以外の、不動産の活用方法も勉強していきたいですよね。

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