今日は、名古屋の吹上ホールで開催された「賃貸住宅フェア」へ行ってきました。
今回もいろいろなジャンルのセミナーが開催されてましたが、下記の3社のセミナーに参加させて頂きました。
ブルースタジオ 大島芳彦さん
名古屋ホシみっつ不動産 兼田知英さん
らいおん建築事務所 嶋田洋平さん
これまでの不動産は、人口動態や物件数からも需要が見込めたので新築物件を建て続ける事で成り立っていたが、日本の総人口が減る中で、継続した新築物件の建築は需給バランスが崩れてしまい、空き家が問題になってきている。
特に、各地で過剰な1Rマンションの建築が現在も継続して続いており、東京の23区であっても築3年以内の物件が決まらない状況となっている。
今後は、こういった中古の不動産住宅を活用しながら「住まい方」をデザインしていく必要があるのではないか?といったお話が多かったです。
ブルースタジオさんが手掛けた「ホシノタニ団地」を例に挙げると、建物の老朽化から使用されなくなった駅前にある4棟の団地。駅前といった好立地をリノベーションすることも大切だが、それ以上に街をつくっていく事も考えて、住居だけでなく1階にはオープンカフェや子供が遊べる空間、そして町の人が利用できる菜園など、住居スペースだけでなく、人が自然と集まれる空間を作ることで、そこの場所での住まい方を作っていくことに成功していました。
らいおん建築さんの成功例としては、築古賃貸物件での入居付けで、ありきたりなフローリングと白いクロスに全面改装するよりも、入居者と一緒に賃貸住宅をつくっていく方法が成功しているとの事です。
一般的な入居者をターゲットにする場合には、築年数や設備から検索するので、フローリングや壁紙を綺麗にしても、ネット検索の時点で探されることが難しい。ありふれたリフォームにお金をかけてやるのであれば、築古の味深い物件を売りにして、そこを入居者の住みたい形にリノベーションしてしまうような物件の方が、入居者が決まりやすいしリフォームにかかるコストを安くできることも多いということでした。
3社のお話を聞く中で感じたことは、これまでの賃貸住宅経営とは考えを変えて、物件のある「地域の特徴」や「入居者の層」を考えて、その地域にあるニーズに合った物件を、「入居者目線」で一緒に造っていくことが必要となってきます。
また、そういったコアな入居者は、一般的な募集媒体で集めるのではなく、口コミやコアな層が見るようなサイトで広告をしていくのが良い。また、それぞれの物件のコンセプトを伝える「キャッチコピー」や「物語」を作っていくことで「共感」してくれる入居者を探していくことが良いのではないでしょうか?