接道されてない土地を調査しました。

以前、「建物を建てる時の接道義務とは!?」という内容を書いたのですが、実際に道路に直接接していない土地の売却を依頼されて調べていたので自分の備忘録として文章にしたいと思います。(あくまで、今回確認した内容ですので正確性でない可能性があります)

今回の対象地(約25坪)には下図のように、前面に通路部分があり、その8分の1の所有権がありました。

売買対象地:約25坪 地目:宅地
通路部分:幅員2.7m 地目:宅地 形状:砂利道(近隣の方の通路、地中には上下水道管が埋設されている)

ポイント
1)再建築ができる土地なのか?
2)購入者が融資を組めるのか?
3)将来的な問題点を防ぐには

(1)について市役所調査と静岡県建築住宅まちづくりセンターへの確認をしました。

■回答
・確認申請時に、建築予定地として通路部分も設定されていれば再建築可能。(もちろん接道要件を満たす内容)
・近隣の方がこれまで確認申請を出した際に、通路部分を敷地として申請していないこと(二重使用されていないこと)
・近隣の土地で、他の所有者が再建築する際に、通路部分を利用する必要がないこと
※通路部分は誰の名義か問わない。持分も問わない。→しかし、勝手に人の土地を利用して建物を建てるとトラブルになるので承諾書や借地契約などが望ましい。

(2)について銀行へ確認しました。

■回答
・都市銀行や地銀については「難しい」といった返答でした。
・信用金庫の中で前向きな返答をいただいた銀行がありますが、「基本的には難しい」が通路部分に対して持分があれば今回のケースは土台には乗ります。
 しかし、土地に対しての担保評価は見込めないため、住宅ローンを組む方の属性が良くないとNGとなってしまう可能性が高い。
・融資実行時に条件として、通路部分の所有者全員から「接道要件として利用する事を承諾する」などの承諾書を得る必要がある。

(3)将来的な問題点を防ぐには
共有部分の共有物分割請求がされたらどうなるのか?など、問題は様々あるかと思います。
私道など共有持ち分の土地には、様々なトラブルが多いです。
今回の件に限らず、近隣所有者と共有物について取り決めをしっかりと決めて覚書など書類として残しておいた方が良いですね。

■まとめ
今回は役所と宅建協会、不動産流通推進センター、銀行への確認をしましたが、あくまで担当者レベルでの確認となりました。
接道要件としては、申請者が通路部分を利用しても問題ないと申請を出せば再建築はできる可能性が高いと思いますが、通路部分の共有者から承諾を得ることは必ず行わないとその後のトラブルになります。
また、将来的に通路がそのまま残っている可能性も100%でなく、所有者が変わっていく中で変化が生じ、利用価値がなくなってしまう事も考えられます。
不確定な要素を残すのでなく、可能であれば旗竿地のような形で自己の敷地を確保できるように、通路部分を譲っていただくように努めるのが良いのかと思いました。

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