2021年の全国犬猫飼育実態調査結果によると、年々ペットを飼育する人の数は増加してます。コロナウイルスの影響で、自宅で過ごす時間が増えたことも一つの要因として考えられます。ペットとの生活で癒やしを求める方や、ペットを通じて家族内のコミュニケーションを深める方が増えているのでしょう。
しかし、賃貸住宅で禁止されている物件も多くペットが飼えない。といった事情により飼えない人はたくさんいます。多くの賃貸住宅では、壁や床に傷がつくことを理由にペットの飼育が禁止されています。そのため、ペットを飼いたくても諦めざるを得ません。
よって、ペット可賃貸物件は需要に対して供給が圧倒的に足りていない傾向にありますので、ペット可の賃貸物件は入居率が高まる傾向にありますし、一度入居された方が他に移る物件も少ないので入居期間が比較的長めになることが予測されます。特に、大型犬を飼育している場合や多頭飼いをしている場合は入居期間が長くなります。
①競合物件が少ないので、入居率を高く保てる可能性がある。
特に、駅から遠くエレベーターがないといった立地や設備面でデメリットがある物件でも、ペット可であるというだけで、入居率は上がる可能性もあります。
➁家賃を高めに設定しても埋まりやすい。
ペット飼育の場合は、家賃を通常よりも家賃を高く設定しているケースもあります。それでもペット可物件を探している方にとっては、ペット可ということ自体が魅力です。
①原状回復に関するトラブルが発生しやすい
ペット可物件は、床や壁に傷がつきやすい傾向にあります。退去時には原状回復費用が必要となりますが、その費用が高額になりトラブルに発展するケースがあります。それにより、ペット飼育によるトラブルが「賃貸住宅の敷金と原状回復トラブル」の中でも非常に多いといわれています。
➁ルールの徹底がされずにトラブルが発生する。
賃貸住宅の共用部分で、ペットの尿や糞が放置されていることもあります。ルールを設定しても全員が守ってくれるとは限りません。
③入居者同士のトラブルにつながる
ペットを飼育していない入居者にとっては、ペットの臭いや鳴き声はとても気になるものです。入居者同士でトラブルが発生し、退去につながるケースもあります。
また、犬に噛まれてケガをした、ペットによるアレルギーを発症した、こういったトラブルになると損害賠償を求められることも考えられます。
空室対策としてペット可物件へ変更する際は、慎重に検討しましょう。
まずは、あらかじめ入居可能なペットの種類を定めておきましょう。
ペットとは犬や猫だけではありません。爬虫類や鳥類、ウサギもペットです。どんなペットでも可能だと思わぬトラブルが発生するおそれがあります。また、大きさや個体数といった条件を決めておくことも有効です。それにより、ペットが繁殖を繰り返し、飼育不可能な状態になるのを防ぐことにもつながりますし、数が多くなれば鳴き声や排泄物による臭いによってトラブルが発生する可能性があります。
初期の設備投資によって、原状回復費用の抑制や入居者の満足度向上につなげることができます。たとえば壁一面に壁紙を貼っていた場合、傷がつけば一面分の壁紙を張り替えなければいけません。しかし、傷がつきやすい高さで切った状態で貼っておけば、原状回復時は下の部分だけを貼り替えるだけです。
少しの工夫で原状回復費の抑制につながります。
ペットの飼育で気になる排泄物の臭いや動物的な独特の臭いの対策となる設備も有効です。空気清浄機を各部屋に設置するだけでも効果があります。物件の外に水道を設置しているのであれば、その部分をペットの洗い場として活用してもよいでしょう。散歩や外で遊んで汚れた体を洗うことで、部屋に汚れを持ち込みません。ハウスクリーニング費用の節約にもつながります。