不動産の売買契約書には必ず「瑕疵担保責任」の条項が入っていますが、聞きなれない言葉でなんとなく流してしまっている方も多いかと思います。
しかし、万が一の内容ではありますが、しっかりと内容を理解しておかないと、売買契約後に思わぬトラブルが発生してしまうことも考えられます。
■そもそも瑕疵とは!?
瑕疵(かし)とは、雨漏りやシロアリの被害、設備の故障など、取引の目的である土地・建物に何らかの欠陥があることをいいます。
中古住宅における傷や損傷など、実際に物件を見れば気づくようなものは、売買物件価格に含まれると考えられますが、屋根裏や床下を覗いて確認しないとわからないような部分は一般的には確認ができません。
また、物理的な欠陥だけでなく法律的欠陥も含み、例えば、マイホームを目的として買った土地が法律の制限により、建物が建てられない、又は大きな制限があるといった場合も対象となります。
他にも、自殺や殺人事件があったような場合にも、心理的な瑕疵となります。
そういった売主でも知らないような見えざる欠陥が発見されたときに誰が責任をもちますか?というのが「瑕疵担保責任」の内容となります。
■一般的に瑕疵にあたるもの
(1)戸建ての住宅
・雨漏り
・主要な木部の腐食(屋根や柱、梁など)
・シロアリの被害(床下、土台など)
・給排水管の故障
※マンションの場合は主要な木部の腐食を除いた3つ。
(2)土地
・地中埋設物
・土壌汚染、地盤の弱さ(程度による)
・事故・自殺
■売主が個人の場合は「無し」でもOK!
売主が瑕疵担保責任を負う期間は、任意に定めることができます。
個人が売主の場合には、瑕疵担保責任を負わない!とすることができますが、通常は、買主も不安があるので0~3ヵ月程度で決めていく事になります。
但し、土地の売買契約の場合には、買主がすぐに建物工事に入らない場合には、3ヵ月の瑕疵担保責任を付けても、工事がその期間で入らないのであれば、意味をなさないので、瑕疵担保責任を負わない。又は、基礎工事にどのタイミングで入るのか?確認をしながら、期間を相談していくケースもあります。
売主が不動産業者の場合は2年間は最低でも責任を負う義務が発生しますので、通常の契約では2年間と定めます。
瑕疵担保責任は、万が一の内容ですが、それぞれにとってのリスクとなりますので売買価格と合わせて相談していくのが良いと思います。
また、売主・買主ともに自己を守る為にも「インスペクション」を先に入れて専門家に建物状態を調査してもらうのが良いのではないでしょうか。